第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

教育部門[Education]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 541
講演番号 PC-6(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 伝統的工芸品にみる森林資源を活用する課題
Issues in utilizing forest resources in Japanese traditional crafts
所属 日本大学
要旨本文 伝統的な製法や原材料により受け継がれてきた工芸品は,生活様式の変化や原材料の減少などにより厳しい状況下にある。今後,伝統工芸品生産を継続させるためにも,原材料供給の在り方について明らかにする必要性がある。そこで,本研究の目的は、伝統的に生産されている木材を利用した伝統的工芸品に着目し,地域の森林資源および産業との関連を明らかにすることである。本研対象は,国が指定した伝統的工芸品のうち,木材を使用している121品目とした。方法は,「一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会」と各都道府県の伝統的工芸品の情報から資料を収集し,「伝統工芸青山スクエア」での聞き取りによって,原材料の樹木,産業との関連性等の分析を行った。その結果,伝統的工芸品は家内制手工業「的」生産のため,量よりも樹齢300 年生以上の天然木を必要としたり,高品質の原材料が求められる場合がある。また,少量の需要(生産)者に対する原材料の供給や価格の高騰,特殊な用具の確保の難しさ,需要の減少,販路の確保,後継者不足などの課題が明らかとなった。よって,工芸品は地域の産業の活性化と資源の活用という視点だけではとらえられないと考えられた。
著者氏名 ○小林龍樹 ・ 杉浦克明
著者所属 日本大学生物資源科学部
キーワード 森林環境教育, 伝統的工芸品, 木工品, 漆塗り, 歴史
Key word forest and environmental education, traditional crafts, woodwork, lacquered, history