林業遺産

林業遺産選定事業について

日本各地の林業は、地域の森林をめぐる人間の営みの中で編み出され、明治期以降は海外の思想・技術も取り入れつつ、大戦期の混乱を経て今日に至るまで、多様な発展を遂げてきました。

日本森林学会では、学会100周年を契機として、こうした日本各地の林業発展の歴史を、将来にわたって記憶・記録していくための試みとして、「林業遺産」選定事業を2013年度から開始致しました。

各年度ごとに、林業発展の歴史を示す景観、施設、跡地等、土地に結びついたものを中心に、体系的な技術、特徴的な道具類、古文書等の資料群を、林業遺産として認定していきます。

分類・形式
林業景観(用材林、防災林、薪炭林、特用林産物生産林等の森林の利用に関する景観)
林業発祥地(有名・独特な施業体系をもつ林業の発祥地)
林業記念地(記念植樹、旧係争地等の森林利用に関するメルクマール的意味を持つ土地)
林業跡地(施業跡地、土場・炭焼き等の利用跡地)
搬出関連(森林軌道、林道、筏場、木馬道等。現存・跡地を含む)
建造物(林業発展の歴史を示す建造物。現存・跡地を含む)
技術体系(林産物加工技術、施業計画等)
道具類(地域の林業発展を特徴づけるまとまった道具類) 資料群(林業関連のまとまった古文書・近代資料、写真、映像等)

要件・認定方式
候補の推薦は、学会員を通じて行われ、林業遺産選定委員会にて審議の上、理事会の承認を経て選定となります。推薦にあたっては、対象の所有者・管理者の了解を得ていることが条件です。

問い合わせ先
日本森林学会林業遺産選定委員会事務局
〒102-0085 東京都千代田区六番町7 日林協会館内
E-mail: forestryheritage.jp@gmail.com

なお、2022年2月に林業遺産の研究図書が発売されました。
詳しくは2022年3月7日掲載の情報日本森林学会「林業遺産選定事業」にも大きく関わる、林業遺産の研究書が公刊されました】をご覧ください。

※ 本事業は林野庁の後援をうけて実施しています