第137回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
T4. 総合学・原論としての森林科学[Pursuing Forest Arts and Sciences as Comprehensive Studies]
| 日付 | 2026年3月17日 |
|---|---|
| 開始時刻 | 17:30 |
| 会場名 | Leo Esaki メインホール |
| 講演番号 | T4-11 |
| 発表題目 | 岡山県のため池と森林-勝谷稔氏の言説に着目して- Irrigation Ponds and Forests in Okayama Prefecture: Focusing on the Discourse of Minoru Katsutani |
| 所属 | 東京大学 |
| 要旨本文 | 治水・利水面での森林の作用について、降雨の増加と地下水位の低下の両面を記述したプリニウス以来、議論がある。多雨季候の日本では、森林は治水・利水の両面でプラスの効果をもたらすとされるが、例外的言説が知られる。a)治水については、寛保2 (1742) 年の「戌の満水」を契機に、松代藩内の農民が「樹木多キハ水多シ」との確信から森林を伐採し、結果として農業用水の枯渇を招いた事例がある。b)利水に関しては、瀬戸内小雨地域の岡山県を舞台に1930年代に発生した溜池の渇水と森林の関係についての学術論争が特筆される(中野(1976)、丸山(1987))。平田徳太郎(国立林試)と山本徳三郎(岡山県山林課技師)が、少雨地域において森林が渇水をもたらすか否かで対立した。鳥取県の技師であった勝谷稔(1942,1958)は、平田と強い信頼関係にあると同時に、山本の「森林水源枯渇論」の検証に関心をもち、山本の案内で岡山県各地の溜池地帯を視察し、農民に話を聞くなどした結果、山本説は保安林解除を望む農民の意向に沿った政治的言説であったと断じる。本報告は、長期的観測データを欠く中で当事者間でかわされた言説を整理する。 |
| 著者氏名 | ○古井戸宏通1 ・ 赤池慎吾2 |
| 著者所属 | 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2高知大学 |
| キーワード | 森林と水, 農業水利, 科学知, ため池論争, 合意形成 |
| Key word | forest and water, agricultural water management, scientific knowledge, reservoir controversy, decision making |