第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S7. 大規模産地試験から見えてきたダケカンバの環境適応の核心部:気孔・樹形・萌芽・被食防衛・外生菌根[The leading edge of local adaptation of Betula ermanii revealed from range-wide provenance trial: stomata, tree architecture, sprouting, antiherbivore defense and ectomycorrhizal fungi]

日付 2026年3月17日
開始時刻 9:00
会場名 中ホール200
講演番号 S7-5
発表題目 ダケカンバ産地試験地における萌芽特性と種子採取地の環境特性
Sprouting Characteristics of Betula ermanii sapling in a common garden experiment
所属 信州大学
要旨本文  地球温暖化などの急激な環境の変化に樹木がどのように応答するのかを明らかにすることを目的として全国に設けられたダケカンバ産地試験地の一つが、信州大学農学部に設置されている。本研究ではこの伊那試験地におけるダケカンバの萌芽特性に着目し、萌芽特性に影響を与える自生地の環境特性について検討した。ダケカンバはすべての産地で萌芽幹を発生していた。萌芽幹には根元から萌芽幹を発生させる株萌芽と先枯れや幹の折損によって幹から萌芽幹を発生させる幹萌芽の2種類が観察された。産地毎の平均幹数は2~4.7本で、毎年、枯死する幹と新たに発生する幹が見られた。主幹のD2Hには、西駒と釈迦ヶ岳を除くと萌芽幹の回転率と負の相関が認められ、幹の回転率が高くなるほどD2Hが小さくなった。萌芽幹の回転率は、自生地の冬季積算降水量と正の相関を示した。以上の結果から、ダケカンバには積雪傾度による萌芽幹回転率のクラインが存在し、多雪環境にある産地集団では先枯れを引き起こすことで萌芽幹を頻繁に入れ替え、雪の重みによる幹の倒伏や枝の折損による樹冠の損壊から樹形の回復を図っていると考えられる。
著者氏名 ○室谷楓香1 ・ 小林元1 ・ 飯尾淳弘2 ・ 本間航介3 ・ 戸丸信弘4 ・ 後藤晋5 ・ 津村義彦6
著者所属 1信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター ・ 2静岡大学農学部 ・ 3新潟大学農学部 ・ 4名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 5東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 6筑波大学生命環境系
キーワード クライン, 先枯れ, 積雪量, 萌芽幹動態, D_H
Key word cline, stem dieback, amount of snowfall, sprouting stem dynamics, D_H