第137回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
S7. 大規模産地試験から見えてきたダケカンバの環境適応の核心部:気孔・樹形・萌芽・被食防衛・外生菌根[The leading edge of local adaptation of Betula ermanii revealed from range-wide provenance trial: stomata, tree architecture, sprouting, antiherbivore defense and ectomycorrhizal fungi]
| 日付 | 2026年3月17日 |
|---|---|
| 開始時刻 | 9:00 |
| 会場名 | 中ホール200 |
| 講演番号 | S7-2 |
| 発表題目 | 異なる気候条件下におけるダケカンバの気孔密度とサイズの変化 Response of stomatal density and size in Betula ermanii to contrasting climate conditions |
| 所属 | 東京大学 |
| 要旨本文 | 植物の分布や生育は環境要因と遺伝要因の双方により規定されており、両者の寄与を明らかにすることは、気候変動下での植物の適応や分布予測をする上で不可欠である。気孔密度および気孔サイズは、光合成や蒸散を直接制御する重要な機能形質であり、植物の環境応答や適応を理解する上で有効な指標となる。本研究は、幅広い環境条件下に生育するダケカンバを対象に、複数地点での共通圃場実験を行い、気孔密度および気孔サイズの変異に対する環境要因と遺伝要因の寄与、ならびに集団間の可塑性の違いを検討した。解析の結果、気孔サイズは環境要因よりも遺伝要因の影響を強く受け、環境変化に対する可塑的応答が限定的であることが示された。また、気孔サイズの可塑性は原生地の生育適性と正の相関を示しており、厳しい環境に由来する集団ほど適応力が低いことが示唆された。さらに、気孔密度および気孔サイズはいずれも気温上昇や降水パターンの変化に有意に応答したが、その応答幅は集団間で異なっていた。このことは、気候変動に対するダケカンバの気孔特性の応答が集団特異的であり、光合成や蒸散を通じた適応能力が集団ごとに異なる可能性を示唆する。 |
| 著者氏名 | ○蔡一涵1 ・ 相原隆貴2 ・ 廣田充2 ・ 津村義彦2 |
| 著者所属 | 1東京大学先端研科学技術研究センター ・ 2筑波大学生命環境系 |
| キーワード | 気孔, 産地試験, 気候変動, ダケカンバ |
| Key word | stomata, provenance trial, climate change, Betula ermanii |