第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S13. 変動環境下における大気‐森林間の物質交換と樹木の生理生態[Atmosphere-forest material exchange and tree physiological ecology under changing environment]

日付 2026年3月17日
開始時刻 14:15
会場名 101
講演番号 S13-5
発表題目 日内変動を補正した樹液流速に基づくスギ林の林冠コンダクタンスの推定
Estimation of canopy conductance in a Japanese cedar forest using sap flow corrected for diurnal patterns
所属 東京農工大学
要旨本文 森林の林冠全体における葉の気孔開度の指標である林冠コンダクタンスは、森林―大気間のガス交換を制御する重要なパラメーターである。林冠コンダクタンスは、幹の基部で計測した樹液流速から求まる林冠の蒸散速度から推定されてきた。しかしながら、幹の基部と林冠との空間的な隔たりにより、両者の日内変動は必ずしも一致しない可能性がある。本研究では、スギ成木の幹の基部の樹液流速と林冠の蒸散速度の日内変動における差異を明らかにし、それが林冠コンダクタンスの推定に与える影響を評価することを目的とした。2023年5月~2024年4月に、東京都八王子市のスギ林から5個体のスギ成木(樹高約22 m)を選び、幹の基部(地上約1 m)の樹液流速を計測した。同時に、これらのスギの幹の頂端(地上約20 m)における樹液流速を、林冠の蒸散速度の日内変動の指標として計測した。午前において、幹の基部における樹液流速は、幹の頂端における樹液流速よりも遅れた日内変動を示した。このような幹の基部と頂端における樹液流速の日内変動の差を考慮しない場合、大気飽差に対する林冠コンダクタンスの応答を適切に評価できないことが示された。
著者氏名 ○田中亮志1 ・ 東海創太2 ・ 大井菜ノ香2 ・ 松田和秀3 ・ 伊豆田猛3 ・ 渡辺誠3
著者所属 1東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院 ・ 2東京農工大学大学院農学府 ・ 3東京農工大学大学院農学研究院
キーワード 林冠コンダクタンス, 樹液流, スギ, 蒸散, タイムラグ
Key word canopy conductance, sap flow, Cryptomeria japonica, transpiration, time lag