第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S12. 不定根形成メカニズムの理解と樹木根系構造に基づく斜面安定性の検討 ~樹木根系の育種基盤構築に向けて~[Understanding the mechanism of adventitious root formation and examining slope stability based on tree root structure: Toward Laying the Foundation for Innovative Breeding of Tree Root Systems]

日付 2026年3月17日
開始時刻 9:00
会場名 304
講演番号 S12-3
発表題目 近年九州地方で発生した斜面崩壊と森林による崩壊土砂制御の事例
Examples of controlling landslide movements by forest in Kyushu Region
所属 九州大学
要旨本文 令和7年8月11日に熊本県八代市の大谷川流域において、土石流や大規模な崩壊が発生し、その土砂と洪水が同市輿善寺町内に流れ込み、土砂災害を引き起こした。土砂災害後に現地調査を行ったところ、大部分の斜面は森林で覆われており、崩壊した斜面は多くなかった。しかし、一つの大規模な崩壊と複数の小さな崩壊が発生した。大規模な崩壊地では、大規模な崩壊地においては、崩壊した土層の厚さが2m以上あり、崩壊面と考えられる基岩周辺に根系が見られなかった。このことから、崩壊した斜面上の樹木は崩壊を防止できずに、崩壊した土層と共に下方の渓流に押し流されたと考えられる。しかし、渓流沿いに生えていた樹木が崩壊した土砂と樹木の一部を捕捉したことが分かった。また、その崩壊地の上流では、渓流沿いの樹木が土石流の先頭部と推察される巨礫を捕捉したことが分かった。また、また、平成29年九州北部豪雨の際に多数の崩壊や土石流が発生した福岡県朝倉市妙見川流域でも、同様の現象が確認できた。このように、森林は樹木の根系により斜面の崩壊を防ぐとともに、斜面が崩壊した場合でも土砂を捕捉することで、斜面崩壊防止機能を発揮することが分かった。
著者氏名 ○水野秀明
著者所属 九州大学大学院農学研究院
キーワード 崩壊, 土石流, 制御, 森林
Key word Landslide, Debris flow, Control, Forest