第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S10. 「緑の社会資本」のこれまでとこれから:林野公共事業のあり方を問う[The Past and Future of “Green Social Capital”: Examining the Role of Forestry Public Works]

日付 2026年3月17日
開始時刻 9:00
会場名 中ホール300
講演番号 S10-3
発表題目 豪雨による表層崩壊の発生要因に保安林制度が与える影響
The impact of the Protected Forest system on the cause of shallow landslide due to heavy rainfall
所属 九州大学
要旨本文 保安林は特定の公益的機能を発揮するために指定される森林であり、その中でも土砂流出防備保安林と土砂崩壊防備保安林は土砂災害を防止する森林としてその機能の発揮が期待されている。しかし、これらの保安林が土砂災害の防止に実際に寄与しているかを検証した事例はない。そこで本研究では、表層崩壊の発生の有無に対して保安林を間接的要因として組み込んだ構造方程式モデルを構築し、保安林制度が表層崩壊の発生に与える影響を評価した。対象は平成29年7月九州北部豪雨において福岡県朝倉市と東峰村で発生した表層崩壊である。対象地内からランダムに得た4,000地点のサンプルに対して表層崩壊の有無および崩壊の要因となりうる各情報が付与されたデータセットを活用した。構造方程式モデルを用いた解析の結果、保安林は若齢林を介して間接的に表層崩壊の発生を促進していることが分かった。保安林内において若齢林となる確率が高いことから、保安林外と比べて皆伐が盛んにおこなわれていると考えられる。このことから、保安林における皆伐により土砂災害防止機能が十分に発揮されていない可能性があると結論付けた。
著者氏名 ○金子徹平1 ・ 太田徹志2 ・ 溝上展也2
著者所属 1九州大学大学院生物資源環境科学府 ・ 2九州大学大学院農学研究院
キーワード 保安林制度, 表層崩壊, 皆伐, 豪雨, 若齢林
Key word Protected Forest system, shallow landslide, clear-cutting, heavy rainfall, young forest