第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PW-49
発表題目 ブナの結実による樹冠構造の変化:10年間のモニタリングで分かったこと
The impact of heavy fruiting on canopy structure in Fagus crenata: insights from 10 years monitoring
所属 静岡大学
要旨本文 ブナは数年周期で大量に結実するが、多くの資源を消費するため、葉面積やシュートの伸長量、幹の肥大成長量が低下する。その結果、結実年には林冠木の光獲得量が低下する一方で、林床には通常よりも多くの光が入射し、下層木の成長の増加が予想される。しかし、結実をギャップとして捉え、その生態学的役割を調べた研究は少ない。結実による構造変化は倒木や伐採と比べて小さいが、ブナ純林では無視できない可能性がある。この仮説を検証するために、新潟県苗場山のブナ天然林の低標高サイト(550m)と高標高サイト(1500m)において、2014年から結実量と林分葉量、下層木の成長量を継続的に調査している。多個体が一斉に結実するマスティングは、10年間で3~4回観測された。陽樹冠の葉面積は結実によって大きく低下したが、陰樹冠ではほとんど変化しなかった。林冠のギャップ率はマスティング時に両サイトで増加し、林冠が比較的閉鎖している低標高サイトでは最大で約2倍に達した。しかし下層木の成長については、低標高サイトではマスティング時、あるいはその翌年に増加したが、密度の低い高標高サイトでは有意な増加は検出されなかった。
著者氏名 ○飯尾淳弘1 ・ 楢本正明1 ・ 韓慶民2
著者所属 1静岡大学農学部 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
キーワード ブナ, マスティング, 樹冠構造
Key word Fagus crenata, Masting, Canopy structure