第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2026年3月17日
開始時刻 ポスター発表
会場名 多目的ホール
講演番号 PW-30
発表題目 樹種多様性は森林の経済的価値を高めるか -天然林択伐施業地での事例ー
How Tree Species Diversity Affects the Economic Value of Forests -An example of selection harvesting in natural forests-
所属 京都大学
要旨本文 森林管理において樹種多様性を増大させることは生物多様性保全や水源涵養といった公益的機能の観点からよく評価されるが、経済的な観点から評価されることは少ない。しかし、樹種を資産の種類と見なせば、樹種多様性の向上は伐採時の選択肢の拡大を意味する。高い樹種多様性は、市場の材価変動に応じて時価の高い樹種を伐採することを可能にし、森林の収益性を高める可能性もある。本研究では、森林の樹種多様性と立木販売価格の関係を調べた。調査地は富良野市にある東京大学北海道演習林の天然林択伐施業地とした。同演習林では複数の択伐林分を一定の基準によって物件という単位にまとめ、立木販売を行っている。本研究では2020年から2024年に施業が行われた34物件のデータを用いて、各物件の材積当たりの販売価格を目的変数、樹種多様性と種組成を説明変数として重回帰分析を行った。その結果、樹種多様性と種組成は木材販売価格を同程度増加させることが明らかになった。樹種多様性を高く維持することは、単に保全的な意義だけでなく、資産の多様化を通じた林業の収益性の増大という実利にもつながる可能性が示された。
著者氏名 ○後川耕太郎 ・ 小野田雄介 ・ 辰巳晋一
著者所属 京都大学農学部
キーワード 樹種多様性, 択伐施業, 経済的価値, 木材価格
Key word Tree species diversity, selection harvesting, economic value, price of wood