第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2026年3月17日
開始時刻 ポスター発表
会場名 多目的ホール
講演番号 PW-25
発表題目 シカ柵設置後10年間の樹木実生群集の推移:植物-土壌相互作用に着目して
Changes in tree seedling communities over 10 years following deer exclusion: focusing on plant-soil feedback
所属 東京大学大学院
要旨本文 シカによる長期的かつ強度な採食圧がかかる森林において、防鹿柵の設置は樹木実生更新を促進する有効な手段であるが、その効果は地点間で異なることが知られる。一方、いったん植生衰退が起こると、土壌環境は大きく変化し、その変化が長期にわたって残る可能性がある。本研究は、柵設置後の樹木実生更新が、植生衰退による土壌環境の時間的変化とその空間的不均一性によって規定されるかを検証した。東京大学秩父演習林に設置された柵内(シカ排除区)と柵外(対照区)において、2014~2018年および2024~2025年に樹木実生個体を追跡調査し、2014・2018・2025年の土壌特性と菌類組成を分析した。土壌は柵内外で共通して、時間経過で有意な容積密度と電気伝導度の増加、菌類組成の変化が見られた。一般化線形モデルで選択された説明変数から、容積密度と植物病原菌が増加すると実生の生育が抑制された一方、電気伝導度の上昇が大きい地点は実生の定着・成長が向上したことが示された。含水率やpH、リター層の局所的な変化も実生更新に影響した。これらの結果は、柵による実生更新の成否が、柵の設置とは独立して生じた土壌の変化の不均一性に依存することを示唆する。
著者氏名 ○内藤英理香1 ・ 梅木清2 ・ 平尾聡秀1
著者所属 1東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2千葉大学大学院園芸学研究院
キーワード 実生動態, 植食圧, 冷温帯天然林
Key word seedling demography, browsing pressure, cool-temperate natural forest