第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2026年3月17日
開始時刻 ポスター発表
会場名 多目的ホール
講演番号 PW-11
発表題目 晩霜発生時期に対する開芽時期の局所適応はブナの結実豊凶に影響を与えるか
Does local adaptation of the budburst timing to late frost regime affect the mast seeding of Japanese beech?
所属 弘前大学大学院
要旨本文  ブナの葉フェノロジーは標高や地形によって異なることが知られている。青森県八甲田山では、ブナは異なる標高と地形(山腹斜面と盆地)に生育しており、盆地のブナは晩霜害を回避するために開芽日を遅くするという局所適応を示す。この晩霜に対する局所適応は、結実豊凶に影響を与えると考えられる。そこで本研究では、15年間の結実量データと気温データ、ブナ葉フェノロジーと花芽割合を用いた分析を行った。 分析の結果、地形タイプによって豊作年の結実量に明瞭な差が認められ、盆地は山腹斜面よりも結実量が少なかった。また、気温データの分析から、結実量には結実前年5月、当年4月の平均気温が正の影響を与え、当年3月、5月の平均気温と、当年の最終晩霜日が負の影響を与えた。さらに、開芽日や老化日が遅い個体、および着葉期間が長い個体ほど、花芽割合が少なかった。 以上の結果から、盆地のブナの開芽時期は晩霜に対して局所適応しているにも関わらず、晩霜による結実量の減少を十分に回避するところまでは機能していないことが示唆された。加えて、開芽時期を遅らせることが光合成生産を減少させ、繁殖への投資量を減少させていることが示唆された。
著者氏名 ○堀文哉1 ・ 杉本咲2 ・ 石田清3
著者所属 1弘前大学大学院農学生命科学研究科 ・ 2林野庁東北森林管理局 ・ 3弘前大学農学生命科学部
キーワード 結実豊凶, ブナ, 晩霜
Key word mast seeding, Japanese beech, late frost