第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2026年3月17日
開始時刻 ポスター発表
会場名 多目的ホール
講演番号 PT5-5
発表題目 中部山岳亜高山帯常緑針葉樹林における標高別の細根動態と根呼吸
Fine root dynamics and root respiration at different elevations in subalpine evergreen coniferous forest.
所属 信州大学
要旨本文  森林からの炭素放出の大部分を占める土壌呼吸は、根圏呼吸(Ra)と従属栄養呼吸に区分される。特にRaは温度感受性が高く、温暖化の影響が懸念されている。一方、Raとその基質である細根動態の環境応答は不明な点が多い。本研究では、亜高山帯常緑針葉樹林の標高勾配に沿った3つの試験区(2000区、2200区、2400区)において、標高差が細根の現存量(FRB)と動態およびRaの温度応答に与える影響を検証した。2023~2025年の年平均地温はそれぞれ6.7℃、5.6℃、4.6℃であり、標高が上がるごとに約1℃低下した。2024~2025年のFRBと細根の年総生産面積および枯死面積はそれぞれ315~462 g/m2、2.0~5.9 mm/cm2、0.1~0.9 mm/cm2で、いずれも標高による明瞭な傾向は見られなかった。2023~2025年のRsとRhの指数モデルの差分から算出した5~10月のRa積算量は0.38~0.76 kg CO2/m2の範囲にあり、年および標高による一貫した傾向は見られなかった。地温5~15℃におけるQ10は、2023年の2000区で5.5、2400区で3.5と高い値を示したが、これを除くと1.3~1.9と低かった。温度感受性が低い要因として、亜高山帯では夏季に曇天や霧の発生が多く光合成産物の供給が制限された可能性が考えられた。
著者氏名 ○坂本小雪1 ・ 小林元2 ・ 安江恒3
著者所属 1信州大学農学部 ・ 2信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター ・ 3信州大学山岳科学研究所
キーワード 季節変化, 細根生産, スキャナ法, 地温, トレンチ法
Key word seasonal variation, fine root production, scanner method, soil temperature, trench method