第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T1. 生物多様性保全と森林管理[Biodiversity conservation and forest management]

日付 2026年3月17日
開始時刻 ポスター発表
会場名 多目的ホール
講演番号 PT1-3
発表題目 原生林性甲虫を指標とした広葉樹林施業の評価 時空間スケールでの分析
Evaluation of Broadleaf Forestry Using Platycerus Stag Beetles as Indicators across Spatial and Temporal Scales
所属 京都大学
要旨本文  生物多様性に配慮した林業の実践には,生物多様性の質を適切に評価できる手法が不可欠である。指標昆虫としては地上徘徊性昆虫が知られるが,森林構造や樹種構成への反応は限定的とされる。これに対し淺野ら(2021)は,ルリクワガタ類の雌個体を誘引源とした誘引型衝突板トラップ(F-FIT)による定量調査法を提案し,広葉樹林の植生遷移を反映する指標となりうることを示した。 本研究ではF-FITを広葉樹林業の評価に応用し,岐阜県飛騨市広葉樹林業実証試験林にて,伐採区,除伐区,未伐採区を対象に,トウカイコルリクワガタ Platycerus takakuwaiの定量調査を行った。F-FITを各区に20m格子状に9地点ずつ設置し,各F-FITで捕獲された雄個体数を目的変数,気温,風速,標高,立木密度,林縁からの距離を説明変数候補としてモデルを構築した。 モデル比較の結果,空間変化係数を導入した負の二項GAMが最も高い適合度を示した。立木密度の空間変動の影響は除伐地で特に強く,未伐採地ではその影響は飽和していた。一方,林縁からの距離は調査地全体で一様な効果を示した。本結果は,立木保持量のみならず,除伐強度やその空間配置を考慮した広葉樹施業の重要性を示している。
著者氏名 ○前長邑佑1 ・ 時任美乃理2 ・ 淺野悟史3 ・ 西前出3
著者所属 1京都大学農学部 ・ 2京都大学大学院農学研究科 ・ 3京都大学大学院地球環境学堂
キーワード 広葉樹林施業, 原生林性甲虫, 時空間スケール
Key word Broadleaf Forestry, Platycerus Stag Beetles, Spatial and Temporal Scales