第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2026年3月17日
開始時刻 ポスター発表
会場名 多目的ホール
講演番号 PL-4
発表題目 奈良県大台ヶ原におけるニホンジカによる剥皮が森林動態に及ぼす影響
Impacts of bark stripping by sika deer on forest dynamics in Mt. Odaigahara, Nara Prefecture
所属 岐阜大学
要旨本文 近年、ニホンジカ(以下、シカ)による自然植生への影響が問題となっている。奈良県大台ヶ原においても、シカの過度な採食による樹木の稚樹・実生やササ類などの下層植生の衰退に加え、樹皮の剥皮による森林の衰退が報告されている。本研究では、シカによる剥皮が森林に及ぼす影響を詳細に明らかにすることを目的とし、2016年から2025年にかけて年1回の毎木調査を実施した。8 m×50 mのベルトトランセクトを19箇所設置し、胸高直径、樹木全周に対する剥皮率および樹種を記録した。約30種798個体が観測され、そのうち約51%の個体で剥皮が確認された。剥皮および立木密度が樹木個体の生存率および直径成長量に及ぼす影響を推定するため、2つの階層ベイズモデルを構築し解析を行った。解析の結果、剥皮は成長量には影響を与えず、生存率に対して負の効果を示した。また、立木密度は生存率には影響を与えず、成長量に対して負の効果を示した。シカによる剥皮は、樹木の枯死に直接的に影響を及ぼすことが明らかになった。一方、森林全体への剥皮の影響が強まることで枯死する樹木が増加した場合、立木密度の低下を介して樹木の成長に間接的な正の影響を及ぼす可能性が示唆された。
著者氏名 ○田中隆史1 ・ 澤野重雅1 ・ 安藤正規2
著者所属 1岐阜大学自然科学技術研究科 ・ 2岐阜大学応用生物学部
キーワード ニホンジカ, 森林動態, 剥皮, 状態空間モデル
Key word Sika deer, Forest dynamics, Bark stripping, State space model