第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PL-34
発表題目 福島県における傷病鳥獣の放射性セシウム長期モニタリング
Long-term monitoring of radiocesium in injured or sick wildlife in Fukushima Prefecture
所属 福島県環境創造センター
要旨本文 福島第一原発事故後、野生鳥獣から放射性セシウム(rCs)が検出され続けるが、狩猟対象外種を含む汚染実態の知見は限られる。そこで2013_2025年に福島県野生生物共生センターへ搬入後死亡した傷病鳥獣の筋肉を採取し、Cs-134・Cs-137濃度を測定した(鳥類143個体、ほ乳類76個体)。地域別に土壌沈着量との関係を解析した結果、会津・中通りでは弱い正の相関、浜通りでは強い正の相関を示した。会津の筋肉中rCs濃度は浜通り・中通りより有意に低く、分類群ではほ乳類が鳥類より有意に高かった。食性別には、会津の鳥類で動物食が雑食より高く、中通りのほ乳類で植物食が雑食より高いなど、摂食様式に伴う差もみられた。近年も食品基準値(100 Bq/kg)超の個体が鳥類・ほ乳類双方で確認された一方、イノシシのような基準値の100倍超に達する極端な値は認められなかった。以上より、環境汚染度と生態特性の双方が筋肉中Cs濃度を規定しうること、傷病個体データが長期モニタリングとリスク評価の補完情報となることが示唆された。今後、地域・分類群・食性を考慮した監視設計により、汚染の残存要因解明と情報発信の精度向上が期待される。
著者氏名 ○小松仁1 ・ 村上貴恵美1 ・ 神田幸亮1 ・ 壁谷昌彦2 ・ 稲見健司2
著者所属 1福島県環境創造センター研究部 ・ 2福島県野生生物共生センター
キーワード 放射性セシウム, 傷病鳥獣, 森林生態系
Key word Radiocesium, Injured and sick wildlife, Forest ecosystem