第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

開始時刻 ポスター発表
講演番号 PG-1
発表題目 スギの高温順化関連遺伝子の解析
Analysis of heat acclimation_related genes in Cryptomeria japonica
所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
要旨本文 植物には環境ストレスを記憶し、同種のストレスに対する応答が変化する「順化」が知られる。順化に関与する遺伝子は、初回ストレスの記憶を維持する遺伝子(type I)と、初回ストレスで発現制御が変化し、再ストレス時により強く誘導される遺伝子(type II)の二つに大別できる。本研究では、自然光および人工光下で高温順化を行ったスギのトランスクリプトームデータを解析し、高温ストレス記憶に関与する遺伝子群の探索を試みた。その結果、被子植物で高温記憶に関与するHSA32およびHSP21に加え、活性酸素ホメオスタシスに関わる EGY3、葉緑体タンパク質の安定性に関与するEMB1241、脂肪酸生合成の制御に関わるRFS1が中心的な役割を持つtype I遺伝子として抽出され、互いに強く共発現していることが示された。一方、type II 遺伝子は実験条件間で異なり、各条件内でも機能的類似性や共発現関係は弱く、一貫した遺伝子群としてのまとまりは認められなかった。これらの結果は、スギの高温順化では少数の type I 遺伝子からなる保存的なストレス記憶機構が中核を担い、type II 応答は環境条件によって多様化することを示唆している。
著者氏名 ○伊原徳子
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域
キーワード スギ, トランスクリプトーム, 高温順化, 遺伝的多様性
Key word Cryptomeria japonica, Transcriptome, heat acclimation, genetic diversity