第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Zoology and Entomology]

日付 2026年3月18日
開始時刻 9:15
会場名 202B
講演番号 L-2
発表題目 遺伝的多様性指標に基づくツキノワグマ地域集団の評価と保護管理への検討
Genetic Diversity of Local Asian Black Bear Populations and Its Implications for Conservation and management
所属 京都大学
要旨本文 ツキノワグマは近年生息域の拡大や人身被害の増加が深刻な社会問題となり、本州では管理が課題となっている。一方、四国では個体数が少なく保全の必要性が高い。本研究では、日本各地から得られた1,857個体のツキノワグマの核マイクロサテライトの遺伝情報を用いて、本種の遺伝的多様性と集団構造を評価し、保護管理戦略の立案に資する基礎的情報を得ることを目的とした。解析の結果、日本には16程度の遺伝的な地域集団が確認され、それら集団は分布変遷史や景観の異質性に関連し、比較的高く遺伝的に分化していることがわかった。各集団の遺伝的多様性、有効集団サイズ(Ne)、全体の多様性への貢献度について評価したところ、本州中部の地域集団は遺伝的多様性、Neともに大きく、安定した集団を維持していた。一方、西日本や東北地方では遺伝的多様性は低く、Neにバラツキがみられた。また、これらの集団内で維持されてきた希少な対立遺伝子は日本全体のツキノワグマの遺伝的多様性に寄与していることが明らかになった。各集団は異なる遺伝的特性を通じて本種の遺伝的多様性を支えており、これらの結果は、本種の保護管理の指標として有用な情報を提供する。
著者氏名 ○小井土凜々子1 ・ 大西尚樹2 ・ 津田吉晃3
著者所属 1京都大学フィールド科学教育研究センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 3筑波大学菅平高原実験センター
キーワード 野生動物管理, ツキノワグマ, 遺伝的多様性
Key word Wildlife management, Asian black bear, Genetic diversity