第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2026年3月18日
開始時刻 9:15
会場名 101
講演番号 I-2
発表題目 高山性木本植物の細根を介した栄養塩獲得戦略:異なる菌根タイプ間の比較
Nutrient acquisition strategies via fine roots in alpine woody plants: A comparison among different mycorrhizal types
所属 信州大学大学院
要旨本文 本研究では,栄養塩が著しく欠乏する高山帯において,栄養塩獲得様式が異なる外生菌根種(ECM)とエリコイド菌根種(ERM)を対象に,細根の吸収・滲出機能を調べ,貧栄養環境における栄養塩獲得メカニズムを解明することを目的とした. 調査は2024年と2025年の夏季に,信州大学農学部西駒演習林山頂部(標高2,672 m)で実施した.対象種はECM種のハイマツとERM種のコケモモの2種とした.現場測定を行い,細根の無機態N・P(硝酸,アンモニア,リン酸)および有機態N吸収速度,C滲出速度,分解酵素活性を測定した. 硝酸吸収速度はコケモモよりもハイマツで高かった一方,有機態Nおよびリン酸吸収速度は逆にコケモモで有意に高かった.これは同所的に生育する2種で資源分割が生じていること,吸収能がコケモモで高いことを示唆する.滲出速度およびPHO活性はコケモモよりもハイマツで有意に高かった.コケモモに比べ吸収能の低いハイマツは,高い滲出機能によって,根圏土壌のN・P利用性を高めていた可能性がある.以上より,ハイマツは滲出能を,コケモモは吸収能を,それぞれ高めることで貧栄養環境に適応している可能性が示唆された.
著者氏名 ○諏訪竜之介 ・ 平野侑 ・ 牧田直樹
著者所属 信州大学大学院 総合理工学研究科
キーワード 森林限界, 外生菌根菌, エリコイド菌根菌, 栄養塩吸収, 根滲出物
Key word Tree line, Ectomycorrhizal fungi, Ericoid mycorrhizal fungi, Nutrient uptake, Root exudation