第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2026年3月18日
開始時刻 9:00
会場名 中ホール200
講演番号 E-1
発表題目 立山のスギ巨木のサイズと樹形 ―樹形から藩政期の森林利用を読み解く―
Sizes and treeform types of giant sugi trees on Mt. Tateyama, central Japan
所属 富山県立山カルデラ砂防博物館
要旨本文  立山の美女平から上ノ小平にかけての緩斜面(標高1000~1600m)の冷温帯林ではスギが優勢で、なかには幹周り6mを超える巨木が点在している。2003~2004年に富山森林管理署による調査が行われ、約300haにスギ巨木が147本あり、最大サイズは幹周り11.4mと報告されている。本研究ではスギ巨木の樹形について調査し、過去の森林利用の影響について検討した。スギ巨木の樹形は、単幹、台杉、合体、根下りの4つのタイプに類型化できた。「単幹」はスギ本来の樹形であり、「台杉」は主幹がある高さで多数の幹に分かれるもので、人が主幹を台伐りして利用した後に枝や萌芽再生幹が伸びたものと推定される。「単幹」は 低標高域(1300m以下)で10%に過ぎず、高標高域(1300m以上)でも49%であった。一方「台杉」は低標高域で62%を占め、高標高域でも44%を占めた。また、幹の一部が板材採取のため剥ぎ取られた痕跡があり、低標高域で50%、高標高域でも44%のスギ巨木で確認され、その多くで心腐れが著しかった。以上のことから、立山のスギ巨木は江戸時代に台伐りや「剥ぎ取り」による激しい木材利用にさらされたが、根元での伐倒を免れたため高い密度で生き残ることができたと考えられる。
著者氏名 ○杉田久志1 ・ 長谷川幹夫2 ・ 伊勢友加里3 ・ 古木香名4 ・ 室_浩伸4 ・ 白石俊明1 ・ 松島亨1
著者所属 1立山カルデラ砂防博物館 ・ 2TOGA森の大学校 ・ 3有峰森林文化村 ・ 4林野庁富山森林管理署
キーワード スギ巨木, 台杉, 木材利用, 台伐り萌芽更新, 成長
Key word giant Cryptomeria japonica tree, pollarded tree, wood utilization, pollarding, growth