第137回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

林政部門[Forest Policy]

日付 2026年3月18日
開始時刻 17:15
会場名 201A
講演番号 A-33
発表題目 近代秋田地域の国有林経営における森林保護と労働力確保
Forest Conservation and Workforce Securing in National Forest Management in the Akita Region of Modern Japan
所属 法政大学
要旨本文 本研究の目的は、近代日本の国有林経営と地域社会との関係について、森林保護と労働力確保の観点から考察することである。対象地域は史料の残存状況等から秋田県とした。分析に用いた史料は東北森林管理局に伝来した施業案説明書である。明治37(1904)年調製の「秋田大林区署大館小林区署・白沢小林区署上下長木事業区施業_説明書」を例にとると、盗伐対策としては巡視路の新設、青森大林区署との連携取締が計画された。また火災対策としては防火線の新設、伐採人夫の監督および青物採取証票の下附と責任明確化による失火対策が立案された。これらの背景には、小坂鉱山隆盛による関係者の頻繁な入山もあった。一方、労働力確保の方策としては「渡世木」制度が採用された。同事業区では、地元住民が農業の傍ら「渡世木」の払い下げを受け、それを伐木・造材・搬出した。これと引き替えに地元住民は、地拵・造林・下刈等のための労働力を1戸につき1人ずつ提供した。彼らは「農事兼業」の者であったが、次第に技術が熟達した。ただし労働力確保をめぐり小坂鉱山との間に競合が生じると、「一ヶ年間連続セル事業」を設け「純然タル山稼人夫」を採用することが企図された。
著者氏名 ○芳賀和樹
著者所属 法政大学人間環境学部
キーワード 盗伐, 森林火災, 地域社会
Key word illegal logging, forest fire, local community