第136回日本森林学会大会 発表検索
講演詳細
S6. 生理部門企画シンポジウム「低温下で生きる」とポスター紹介[Tree Physiology Division Symposium “Alive under cold conditions” and poster introduction]
| 日付 | 2025年3月21日 |
|---|---|
| 開始時刻 | 9:00 |
| 会場名 | N21 |
| 講演番号 | S6-3 |
| 発表題目 | 亜高山帯で生きる常緑針葉樹の越冬戦略 Evergreen conifers in subalpine winter: Cold adaptations and survival strategies |
| 所属 | 東京大学 |
| 要旨本文 | 亜高山帯に分布する常緑針葉樹は葉をつけて厳しい冬を生きる、寒さに最も適応した生物の一つである。冬には葉への水の供給が止まり、常緑針葉樹の葉で強い乾燥ストレスがかかる。乾燥ストレスと木部液の凍結融解が同時に起きることで、葉や枝の仮道管に空気が侵入して通水が阻害されるエンボリズムが起き、枝葉の枯死原因となる。私たちは、常緑針葉樹のシラビソを材料に、冬季に起きる乾燥ストレスに対する適応戦略とその限界について調べた。枝の通水阻害は凍結融解の回数が増えると弱い乾燥ストレスでも深刻に起きた。このときエンボリズムだけでなく仮道管の壁孔膜が壁孔口を塞ぐことも通水阻害の原因となっていた。枝の通水阻害は、4月の降雨により乾燥ストレスから回復した後、夏に向かって仮道管が水で再充填されることで解消した。乾燥ストレスは風で葉が傷つきクチクラ抵抗が低下した枝で強く起きた。簡単な計算から、無傷葉の2-3倍、クチクラ抵抗が低下すると春を迎える前に致死的な通水阻害が起きることが予測された。将来的に温暖化が進むと亜高山帯でも早い時期に雨が降り、乾燥ストレスが解消されて枝葉の枯死が起こりにくくなると予想された。 |
| 著者氏名 | ○種子田春彦1 ・ 小笠真由美2 ・ 矢崎健一3 ・ 清水文一4 |
| 著者所属 | 1東京大学大学院理学系研究科附属植物園日光分園 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所 ・ 4東洋大学生命科学研究科生命科学専攻 |
| キーワード | 水分生理, 冬の乾燥, エンボリズム, 壁孔壁, クチクラ蒸散 |
| Key word | water relations, frost drought, xylem embolism, pit membrane, cuticular transpiration |