第136回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2025年3月21日
開始時刻 ポスター発表
会場名 学術交流会館(ロビー)
講演番号 PI-8 (学生ポスター賞審査対象)
発表題目 大気汚染の影響を受けた森林土壌におけるイオウと土壌鉱物の関係
The relationship between sulfur compounds and pedogenic mineral properties in forest soils affected by air pollution
所属 名古屋大学大学院
要旨本文 化石燃料の消費等によるイオウ化合物の排出量は減少傾向にあるが、過去に降り注いだイオウ化合物は大気汚染レガシーとして土壌に蓄積されている。日本では1970年代に国内産業に由来するイオウ負荷量のピークを迎え、その後日本海沿岸地域では2000年代に越境大気汚染によるイオウ負荷量の増加傾向も見られた。後者の影響を強く受けた新潟県・加治川集水域土壌を、前者の影響を強く受けた岐阜県・伊自良湖集水域土壌の既報値と比較することで、イオウ化合物の土壌蓄積と可動化に与える時間や環境の影響が理解できる可能性がある。25年間のイオウ累積負荷量を全国で7段階評価した環境省によると、両地域は共に最高ランクに位置づけられる。加治川土壌を分析した結果、全イオウ量と吸着態硫酸イオン量は伊自良湖土壌に及ばないことを明らかにした。次の段階として、この差異が「土壌鉱物の性質の違い」によるか「イオウ負荷時間の違い」によるかを明らかにする必要がある。本研究は、吸着態硫酸イオンの蓄積と土壌鉱物との関係を解明することを目的とした。このため、硫酸イオンの吸着体である選択溶解性アルミニウムおよび鉄を定量し、吸着態硫酸イオン濃度との関係を評価した。
著者氏名 ○塩出晏弓1 ・ 佐瀨裕之2 ・ 山下満3 ・ 諸橋将雪2 ・ 四柳宏基2 ・ 杉山暁史4 ・ 藪崎志穂5 ・ 今矢明宏6 ・ 谷川東子1
著者所属 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2アジア大気汚染研究センター ・ 3兵庫県立工業技術センター ・ 4京都大学生存圏研究所 ・ 5総合地球環境学研究所 ・ 6国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域
キーワード イオウ化合物, 土壌鉱物, 越境大気汚染, アルミニウム, 土壌酸性化
Key word Sulfur compounds, Pedogenic mineral properties, Transboundary air pollution, Aluminum, Soil acidification