講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付	2025年3月22日
開始時刻	ポスター発表
会場名	学術交流会館（ロビー）
講演番号	PH-18 （学生ポスター賞審査対象）
発表題目	二次林皆伐跡地における実生・萌芽更新動態に環境要因が与える影響 Environmental effects on regeneration dynamics of seedlings and sprouts in a clear-cut secondary forest
所属	名古屋大学
要旨本文	国の天然記念物に指定されているカキツバタ群落が生育する愛知県刈谷市の小堤西池では、近年の水量減少によるカキツバタへの影響が懸念されている。その理由として、後背の水源林で2010年代前半に広がったナラ枯れ以降、加速している常緑広葉樹林化の影響が指摘されており、流出量がより多いとされる落葉広葉樹林へ戻す方法が検討されている。そこで、本研究では小面積の皆伐後の、実生更新や萌芽更新を調べ、更新動態に影響を与える環境要因を明らかにすることを目的とした。調査は2021年から2024年の春と秋に、小堤西池東側丘陵森林域に設置した15 m×15 mの皆伐プロットで実施した。実生調査は1 m×1 mのコドラート60個で行い、萌芽幹調査は切株から発生した萌芽幹を対象に行った。また各種の環境要因（光、土壌養水分、土壌pH、リタ―量、実生密度）を測定・分析した。その結果、実生・萌芽幹ともに年間で有意な差が確認され、特に皆伐後1年以内に実生や萌芽幹が急増した。皆伐による光環境の改善により、耐陰性が低い種の発芽や定着が盛んになったが、成長した実生や常緑樹の萌芽幹によって被陰され、新たな実生更新や萌芽幹数は減少傾向にある。
著者氏名	○松本涼平1 ・ 髙橋幸歩2 ・ 策勒格尔2 ・ 中川弥智子2
著者所属	1名古屋大学農学部 ・ 2名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード	生態遷移, 落葉樹林, 暖温帯二次林
Key word	ecological succession, deciduous forest, warm-temperate secondary forest