講演詳細

T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付	2024年3月8日
開始時刻	14:30
会場名	343
講演番号	T3-1
発表題目	森林斜面からの浅層地下水流出によるCs-137移行フラックスの推定 Estimation of Cs-137 transport flux by shallow groundwater discharge from forested hillslope
所属	筑波大学
要旨本文	福島第一原発事故により森林に沈着した放射性セシウムは，水系を通じて下流へ流出している。既往研究により，出水時には表流水の溶存態Cs-137濃度が上昇することが報告されており，土壌水の流出や堆積リターからの溶出の影響が指摘されている。一方で，森林源頭部の斜面には，様々な滞留時間，流動系をもつ地下水が存在し，それらが混合して表流水を形成するが，表流水の溶存態Cs-137濃度形成に与える影響は十分に調査されていない。そこで本研究では，森林源頭部斜面の地下水の詳細な水文観測により，浅層地下水が表流水のCs-137濃度形成に及ぼす影響を定量評価した。観測結果から，浅層地下水のCs-137濃度は，表流水と比較し高濃度であった。また，降雨時には表流水の溶存態Cs-137濃度の上昇が確認されるとともに，河道方向へ向かう地下水流動が観測された。さらに，地下水の動水勾配と表流水の流量に強い相関があることから，浅層地下水流出が表流水の流量増加とCs-137濃度上昇に寄与していることが示唆された。本稿では，水文観測及び溶存態Cs-137濃度の観測データに基づいて，表流水の溶存態Cs-137濃度に対する斜面浅層地下水流出の寄与を試算した結果を報告する。
著者氏名	○庭野佑真1 ・ 加藤弘亮1 ・ 恩田裕一1 ・ 佐藤ひかる1 ・ 飯田光1 ・ Anderson, Donovan1 ・ 中西美夕1 ・ 新里忠史2
著者所属	1筑波大学生命環境系 ・ 2国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
キーワード	溶存態Cs-137, 浅層地下水, 表流水, 地下水流動, 福島第一原発
Key word	dissolved Cs-137, shallow groundwater, surface water, groundwater flow, Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant