第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S12. 広葉樹林化を進めるためには何が必要か[How can we encourage the regeneration of broadleaf trees in conifer plantations?]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 342
講演番号 S12-3
発表題目 下層植生の回復と表土流亡の抑止に及ぼすヒノキ人工林の間伐方法の影響
Effects of thinning methods on undergrowth and surface soil erosion in a Hinoki plantation
所属 岐阜県森林研究所
要旨本文 表層土壌の移動がなく安定していることは,広葉樹の侵入・定着の第一歩である。岐阜県南部のヒノキ人工林の下層植生を植被率と優占種によって分類し,表土流亡の抑止効果を比較すると,土壌侵食危険度指数(表土流亡の発生のしやすさ)には低い順にシダ型<ササ型<草本型≦低木型≦貧植生型の序列が認められた。そこで,筆者らは木材生産を主目的とするヒノキ人工林の水土保全機能を担保するため,下層植生を表土流亡の少ないタイプに誘導する林分管理の方法を検討してきた。ここでは,主に列状間伐が下層植生の動態と表土流亡の抑止に及ぼす長期的な影響を報告する。岐阜県七宗町(標高550m,傾斜28度の西向き平衡斜面)にある19年生ヒノキ人工林を点状および列状(1伐2残,2伐4残,3伐6残)に伐採し,間伐12年後の状態を比較すると,3伐列区は他の調査区より相対散乱光強度,植被率,およびリター被覆率が高く,土壌侵食危険度指数が低かった。また,土壌侵食危険度指数は,植被率やリター被覆率が高い調査枠で低い傾向がみられた。3伐列区では,光条件が保たれたため下層植生とリターが維持され,両者による地表面の被覆によって表土流亡が低減したと推測される。
著者氏名 ○渡邉仁志
著者所属 岐阜県森林研究所
キーワード 地表面被覆, 光条件, 表土流亡, 下層植生タイプ, 間伐
Key word forest floor coverage, light condition, surface soil erosion, undergrowth type, thinning