第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

S12. 広葉樹林化を進めるためには何が必要か[How can we encourage the regeneration of broadleaf trees in conifer plantations?]

日付 2024年3月8日
開始時刻 9:00
会場名 342
講演番号 S12-2
発表題目 静岡県における針広混交林化に関する取組と現状について
Effort and present status of leading mixed conifer-broadleaf forests in Shizuoka Prefecture, central Japan
所属 静岡県
要旨本文  静岡県では「森林(もり)づくり県民税」を財源として、2006年度から「森の力再生事業」により、公益性が高いものの、所有者による整備が困難なために荒廃した森林の整備に取り組んでいる。本事業は、下層植生が消滅した森林について、群状伐採や列状伐採等の強度な伐採を実施することで、下草や広葉樹の生育を促し、公益的機能の回復と針広混交林への誘導を図る事業である。 事業の効果を検証するため、2006年度から県内8箇所、2016年度からは県内10箇所で、光環境、下層植生の植被率・種数、下層木の本数・樹高について追跡調査をしている。調査の結果、光環境は整備後約3年で整備前の水準を下回り、その後も減少傾向であった。下層植生の植被率・種数は整備後に増加するが、植被率は整備から約6年後をピークに減少に転じ、種数も整備数年後には減少傾向となった。一部の事業地を除き、下層木の本数及び樹高の増加はみられなかった。また、ほぼ全ての調査地でシカ等の食害が確認され、下層植生はシカ採食圧の影響を受けていることが示唆された。 これらのことから、本県における針広混交林化の推進にかかる課題として、光環境の維持・改善と獣害対策が挙げられた。
著者氏名 ○高田航1 ・ 鷲山立宗2
著者所属 1静岡県経済産業部 森林・林業局 森林計画課 ・ 2静岡県農林技術研究所森林・林業研究センター
キーワード 針広混交林, 間伐, 下層植生
Key word mixed conifer-broadleaf forests, thinning, understory vegetation