第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 542
講演番号 PT5-9
発表題目 斜面の異なる位置に生育するヒノキの根呼吸および細根動態
Root respiration and fine root dynamics of Chamaecyparis obtusagrowing at different position on a slope
所属 信州大学
要旨本文 土壌呼吸(Rs)は、植物の根呼吸(Ra)と土壌微生物の有機物分解による従属栄養呼吸(Rh)から構成される。本研究ではヒノキ人工林における炭素循環を解明することを目的として,手良沢山演習林37年生林分の斜面中腹部(上プロット)と下部(下部プロット)におけるRaを比較した。根除去処理区でRh,対象区でRsを測定した。測定時の地表面温度と呼吸速度との関係を指数関数式で近似し,地表面温度を20℃に基準化したときのRs20、Rh20を求めた。Rs20からRh20を差し引いた値をRa20とした。2023年の上プロットのRa20は、過去4年間で最小の値を示した。これは、夏期のRs20がこれまでの3年と比較して低いためであった。2023年の上プロットのRs20があまり増加しなかった原因として二つの理由が考えられる。一つは2023年の夏期の降水量が少なく、上プロットでは土壌が強く乾燥した事でRaが低下した可能性。もう一つは、本研究の手法では枯死根の分解呼吸もRaに含まれることから、2023年の上プロットでは枯死根の分解が少なかったことによりRaが低い値を示した可能性である。今後ルートスキャナーの解析によって2023年の細根の枯死量について検討する予定である。
著者氏名 ○小林元1 ・ 加藤岳2
著者所属 1信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター ・ 2信州大学農学部
キーワード 構成呼吸, 維持呼吸, 回転率, 枯死根, ルートスキャナ―
Key word g路wth respiration, maintanance respiration, turn over rate, death root, root scanner