第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T5. 樹木根の成長と機能[Development and function of tree roots]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 542
講演番号 PT5-3(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 中間温帯針広混交林における樹木の吸水深度の季節変動
Seasonal variation of tree water uptake depth in intermediate-temperate mixed broadleaf-conifer forest
所属 名古屋大学
要旨本文 樹木の吸水深度は、地下部における水や栄養をめぐる競争に大きく影響するが、樹木の成長期間中に湿潤な日本の森林において樹木の吸水深度を推定した研究は少ない。本研究では、中間温帯針広混交林における地下部での多種共存メカニズムの解明を目的として、愛知県段戸モミ・ツガ希少個体群保護林に同所的に分布する樹木の吸水深度を、成長期間中の5月(8種)、8月(24種)、および10月(24種)に推定した。吸水深度は、導管水と深さ1mまでの土壌水の酸素安定同位体比勾配を、混合ベイズモデルによって照合することで推定した。3期間で共通の8種の土壌表層(0-20 cm)からの平均吸水割合は5月、8月、10月にそれぞれ約24%、46%、33%と推定され、気温が高かった順に高かった。また吸水深度の明確な種間差は最も気温が高い8月に観察された。樹木の細根成長速度は気温が高いと速くなることから、水や栄養資源が豊富な土壌表層で細根生産が盛んになり、8月に吸水深度が最も浅くなったと考えられる。また、水や栄養資源の需要が最も高まる真夏に地下部での競争が激しくなり、混交する樹種間でニッチ分化が生じたため、8月の吸水深度に明確な種間差が見られたと考えられる。
著者氏名 ○勝浦柊1 ・ 松尾奈緒子2 ・ 中川弥智子1
著者所属 1名古屋大学大学院生命農学研究科 ・ 2三重大学大学院生物資源学研究科
キーワード 吸水深度, 安定同位体, 水資源分化, 季節変動
Key word tree water uptake depth, stable isotopes, soil water partitioning, seasonal variation