第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PT3-8
発表題目 ハンドヘルド蛍光X線分析計によるコナラ木材標本の無機成分測定の試み
A trial of quantification for inorganic elements in wood specimens of Quercus serrata using a handheld XRF spectrometer
所属 森林総合研究所
要旨本文 コナラの木材はバイオマス発電やきのこ栽培用のほだ木など、様々な用途に用いられている。コナラ木材中に含有する無機成分の組成は、前者においては灰の発生量、後者においては福島原発事故由来の放射性セシウムの移行量に影響するなど、その利用に際しての重要な基礎情報であるものの、研究例は少ない。本研究では、森林総合研究所が所蔵する日本全国の複数のコナラ木材の標本(特に辺材部)を利用し、原子吸光などの湿式化学分析を行うことで得られた、コナラ木材中の無機成分濃度の変動幅を報告する。さらに簡易な無機成分分析手法として、木粉もしくは切り出したブロック状の木片に対して、ハンドヘルド型蛍光X線分析装置を用いる方法について検証した。木粉については適切な材質の袋(容器)を選択することで、ブロック状の木片については放射組織が密集する部分を避けて部位全体を3回以上(平均5回程度)照射することで、適切な測定ができた。さらにカリウム、カルシウム、ストロンチウムに関しては、ハンドヘルド型蛍光X線分析装置の測定結果は、湿式化学分析の結果と良い線形関係を示しており、回帰式を作成することで濃度の高精度の推定が可能と考えられる。
著者氏名 ○眞中卓也1 ・ 児嶋美穂2 ・ 長倉淳子1 ・ 安部久2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所立地環境研究領域 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所木材加工・特性研究領域
キーワード 蛍光X線分析, コナラ, 材, カリウム, きのこ原木
Key word X-ray fluorescence analysis, Quercus serrata, stemwood, potassium, bed logs for mushroom cultivation