第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PT3-6
発表題目 施肥・施業の違いがワラビの137Cs吸収に与える影響Ⅱ
Effects of different fertiliser and the tilling methods on Cs absorption by bracken
所属 国土防災技術株式会社
要旨本文 福島第一原子力発電所事故から12年以上が経過したものの未だ福島県内の10市町村でワラビの出荷制限が続いている。全域でのワラビ生産再開に向け,ワラビの放射性セシウム動態の把握及び抑制対策が重要である。農作物等では,植物体の放射性セシウム吸収を抑制する方法としてカリウム施用の有効性が報告されている。そこで本調査ではワラビに対するカリウム施用の効果及び耕耘等施業との相乗効果について検証した。調査は福島県相馬郡飯舘村に位置するワラビ園内で実施した。2019年9月に3つのプロットを設置し,各プロット内にサブプロットを作成した。サブプロットでは異なる施業(耕耘,反転耕)を実施し,ワラビ苗を植栽した。2020年5月には,2つのプロットにそれぞれカリウムと化成肥料を施用し,残る1プロットは施用せず対照区として検証した。各サブプロットでは,2020年8月および10月にワラビ地上部及び地下茎の採取を行い,137Cs濃度を測定した。地下茎と地上部の137Cs濃度は,正の相関を示した。また, 2020年8月時点では施肥や施業種による濃度差が判然としなかったが,同年10月時点では地下茎・地上部共に化成肥料施肥区で高く,カリウム施肥区で低い傾向を示した。
著者氏名 ○井上美那 ・ 氏家亨 ・ 山村充 ・ 赤間亮夫
著者所属 国土防災技術株式会社
キーワード ワラビ, セシウム137, カリウム, 化成肥料
Key word bracken, Cs-137, K, chemical fertiliser