講演詳細

T3. 森林の放射能研究[Research on radioactivity in contaminated forest]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	543
講演番号	PT3-10（学生ポスター賞審査対象）
発表題目	コナラ樹体および落葉の放射性セシウム分布と空間変動 Distribution and Spatial Variation of Radiocesium in trunk and fallen leaves of Konara oak (Quercus serrata).
所属	宇都宮大学大学院
要旨本文	栃木県北部を中心に、福島原発事故により放出、森林に沈着した放射性Csによる樹木への汚染被害が発生し、シイタケ原木や腐葉土の生産に利用される里山の落葉広葉樹コナラ林では利用の制限・自粛が余儀なくされ、利用再開に向けた検討が必要である。また森林内の放射性Csは林床に最も多く存在し、今後より経根吸収が進む可能性がある。そのため既に森林内で平衡状態にある安定同位体セシウム133（以下、133Cs）との関係を評価し、両者の部位別の比率を基に133Cs濃度から放射性Cs濃度が推定可能か検討を試みた。初期沈着量の異なる県内13地域でコナラ樹上枝葉、樹幹、落葉、および表層土壌を採取、放射性Cs濃度（ガンマカウンター）、133Cs濃度（固体AAS）を測定し、樹体内部位間の各濃度の関係、133Cs濃度からの樹幹・落葉の放射性Cs濃度推定について検討を行った。樹体内での放射性Cs濃度分布は樹上葉と樹皮で高く、おおむね初期沈着量と樹体の放射性Cs濃度が比例していた。また133Cs濃度と放射性Cs濃度の部位間の濃度比ではそれぞれ正の相関がみられた。樹体内での放射性Csと133Csの分布が類似した傾向を示したことから、放射性Csが平衡状態に近づいていることが示唆された。
著者氏名	○濵上百々1 ・ 池本萌衣2 ・ 逢沢峰昭2 ・ 飯塚和也2 ・ 大久保達弘2
著者所属	1宇都宮大学大学院地域創生科学研究科 ・ 2宇都宮大学農学部
キーワード	初期沈着量, 137Cs, 133Cs
Key word	Initial deposition, 137Cs, 133Cs