第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

特用林産部門[Non-Wood Forest Products]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PN-3(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ウルシ内樹皮から滲出する漆液の量と成分の時期的変動
Seasonal change of quantity and components of urushi resin come from the inner bark of urushi
所属 京都大学
要旨本文 ウルシ(Toxicodendron vernicifluum)の内樹皮から採取される漆液は精製され漆塗りの塗料となる。漆液の主成分はウルシオールで重合により常温下で硬化するいわば天然のプラスチックであり輸送を除けば採取精製から塗料の段階までほとんど燃料を使わない。漆製品は耐久性も高く持続可能な自然素材としてバイオエコノミーの観点からも注目すべきである。しかし国内での漆液生産量は十分でなくその増大は急務である。漆液を採取する伝統的な手法を漆掻きと呼ぶがウルシの樹木生理と漆掻きの手法を科学的に検証することで収量増大につながると考えた。漆液収量は漆掻き期間である6月から10月頃の中で徐々に増大し8月頃がピークで以降減少していくとされる。本研究の目的は漆掻きをしないウルシの漆液滲出量と、漆液中のウルシオールと水分の含有率の季節変動を定量し、有意に相関を持つ環境条件を検証することである。調査地は京都府福知山市夜久野町の漆植栽地で、ウルシ5本を対象に5月から12月まで約1ヶ月おきに内樹皮に小径の穴を開け漆液の滲出量を計測した。同時に調査地の気温と光合成有効放射と土壌水分量も計測し漆液滲出量の季節変動との相関の有無を報告する。
著者氏名 ○二社谷悠太1 ・ 檀浦正子1 ・ 山内耕祐2
著者所属 1京都大学大学院農学研究科 ・ 2特定非営利活動法人丹波漆
キーワード ウルシ, 内樹皮, 季節変動
Key word lacquer, inner bark, phenology