講演詳細

微生物部門[Forest Microbes]

日付	2024年3月8日
開始時刻	ポスター発表
会場名	543
講演番号	PM-10（学生ポスター賞審査対象）
発表題目	ミヤマハンノキの共生微生物群集構造 Community structure of symbiotic microorganisms on Alnus maximowiczii
所属	東京大学大学院
要旨本文	ミヤマハンノキは亜高山帯の崖沿いなどの過酷な環境に生息することが多く、その定着には窒素固定細菌（Frankia）と外生菌根菌（以下、菌根菌）が寄与している可能性が考えられる。そこで本研究ではミヤマハンノキに共生する菌根菌およびFrankiaの群集構造や環境要因の影響を明らかにするとともに、実生への感染実験によって生育に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。東京大学富良野演習林、十勝岳、富士山、白山、烏ヶ山の各調査地において、ミヤマハンノキ成木22～30個体を選び、樹下から根系を含む土壌コアを採取した。土壌サンプルは風乾後、発芽させた実生を植え付けて最大５か月育成する感染試験を行った。採取した各土壌サンプル、および感染実験で得られた菌根菌とFrankiaはDNA解析により菌種同定を行った。群集解析の結果、ミヤマハンノキ成木は環境要因と関係なく宿主特異的な少数の菌根菌と共生していた。感染実験でもハンノキ属に特異的な菌根菌が実生に共生し、未感染苗に比べて有意に成長が促進された。発表では、宿主特異的な菌根菌群集が形成される要因や宿主定着への影響についても考察する。
著者氏名	○藤井恵理奈 ・ 石川陽 ・ 奈良一秀
著者所属	東京大学大学院新領域創成科学研究科
キーワード	ハンノキ属, 亜高山帯, 実生, 根粒菌, 埋土胞子
Key word	Alder, Subalpine zone, Seedling, Frankia, soil propagule bank