第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PL-25
発表題目 モミの害虫モミハモグリゾウムシの生活史と植物病原菌の媒介について
The curculionid defoliator Parendaeur abietinus of fir trees: the life history and carrying plant pathogens
所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
要旨本文 岩手県のモミ人工林で落葉・枯死被害が発生し、ゾウムシ科の潜葉虫モミハモグリゾウムシが加害虫種として特定された。本種によるモミの枯損被害は1998年に長崎県雲仙のモミ天然林で発生しており、成虫の後食時期や葉の利用様式は判明しているものの、幼虫や蛹についての生態および植物病原菌の媒介など、その詳細な生態は不明である。モミは日本の中間温帯の代表樹種の一つであり、モミ林を適切に管理し本種の防除技術開発に繋げるためには、本種の生態解明は必須である。調査の結果、成虫は6月下旬から7月中旬にかけて地表面から羽化し、寿命中央値は6日であった。成虫が後食や産卵した葉は8月中旬にかけて落葉し、幼虫はリター層の枯死葉内で越冬した後、翌6月上旬に約2週間の蛹期間を経て枯死葉から脱出・羽化した。本種は年1化性で生活史の大部分をリター層で過ごすことから、落葉かきが有効であると考えられた。また、成虫と幼虫から植物病原菌を単離した結果、一部の成虫から合計2種の植物病原菌が検出され、本種がランダムに植物病原菌を媒介することが判明した。これらの病原菌がモミ落葉の原因の一部に関与している可能性が示唆された。
著者氏名 ○綾部慈子1 ・ 升屋勇人2
著者所属 1国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
キーワード モミ, 生活史, 落葉, ゾウムシ, 植物病原菌
Key word Fir trees, Life history, Defoliation, Weevil, Plant pathogen