第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PL-16
発表題目 揮散性ピレスロイド系殺虫剤による樹幹内のカシノナガキクイムシ駆除の試み
An attempt to control Platypus quercivorus inside tree trunks using volatile pyrethroid insecticides
所属 森林総合研究所
要旨本文 ナラ枯れ防除において、生立木樹幹内で繁殖しているカシノナガキクイムシの効果的な殺虫のために、揮散性ピレスロイド系殺虫剤の利用を試みた。茨城県かすみがうら市のコナラ生立木2本(試験木AおよびB)において、2022年8月に、粉状フラスが排出されている穿入孔を12個ずつ抽出しチューブトラップを設置した。そのうちの6個ずつのチューブ内に、エムペントリンを殺虫成分とする防虫剤の薬剤シートの4分の1を入れた。薬剤シートを2023年4月に取り除き、孔から脱出する成虫を捕殺して計数した。エムペトリン処理孔および無処理孔からの平均脱出成虫数±SEは、試験木Aでは8.7±3.6および7.8±3.9、試験木Bでは28.8±7.5および32.3±12.2で、処理間で差は見られなかった。このことから、エムペトリンを用いた今回の手法では樹幹内のカシノナガキクイムシの駆除は困難であると考えられた。本研究は、生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業(体系的番号:JPJ007097)「With/Postナラ枯れ時代の広葉樹林管理戦略の構築」(課題番号:04021C2)により実施した。
著者氏名 ○北島博 ・ 衣浦晴生 ・ 矢口甫
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
キーワード ブナ科樹木萎凋病, 化学的防除, ベーパースリン
Key word Japanese oak wilt, Chemical control, Vaporthrin