第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

動物・昆虫部門[Forest Insects and Animals]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PL-15
発表題目 小面積皆伐更新が行われてきたコナラ二次林における3年間のナラ枯れの推移
Three-year history of oak wilt in a secondary Quercus serrata forest after clear-cutting in a small area
所属 埼玉森林インストラクター会
要旨本文  関東地方ではナラ枯れ被害の拡大が顕著であり、公園施設等は対策を余儀なくされる。埼玉県の県営施設である「さいたま緑の森博物館(以下、緑森)」は雑木林や谷戸田などを野外博物館として設立された場であり、散策やイベントの他、ボランティア団体も活動している。約85haの大半はコナラ二次林であり、一部には昔の景観維持を目的とした更新区域があり、1995年からほぼ毎年1ha未満の小面積皆伐更新が行われ、林齢の異なるコナラ林が点在する。 緑森では2020年に初めてナラ枯れ被害を確認した。対策として園路沿いの被害木を2020年冬から毎年、数十本伐採している。2021年5月には被害木の周辺に20m×20mの調査区を11箇所設定した。そのうち2箇所が更新区域(14・23年生)であり、3年目となる2022年に初めて被害を確認した。2023年には更新の有無(14~27年生、50年生以上)によるコナラでのカシノナガキクイムシ発生量を比較したが、違いはみられなかった。ただし、9年生(DBH:6~10cm)は2023年時点でも被害はなく、被害のあった更新区域のコナラのうち枯死に至ったのは数本である。林の若返りが対策の一つとされる中、緑森を事例としてナラ枯れとの付き合い方を考える。
著者氏名 ○松本薫1,2
著者所属 1埼玉森林インストラクター会 ・ 2明治大学農学部
キーワード カシノナガキクイムシ, 雑木林, 丘陵地, 公園管理
Key word Platypus quercivorus, coppice forest, hills, park management