第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 543
講演番号 PJ-55
発表題目 ボルネオ島オイルパーム農園の水蒸気輸送に気象要素が与える影響
The impact of meteorological factors on water vapor flux in a Bornean oil palm plantation
所属 東京大学
要旨本文 東南アジア熱帯島嶼域に位置するボルネオ島は世界有数の森林破壊地域である。大部分の天然林が1970 年代以降に破壊や劣化を経験し、より経済的価値の高いオイルパーム農園へと置き換わりつつある。この急速な土地利用転換は、大気と植生との間の水蒸気輸送の変化を通じて、周辺物理環境を大きく改変する可能性がある。しかし、ボルネオ熱帯雨林域においてオイルパームの蒸発散量を現地観測により検討した事例は非常に限られている。そこで本研究では、ボルネオ島北部の鉱質土壌に造成されたオイルパーム農園を対象に、3年間の気象・フラックス観測を実施した。また、併せて樹液流計測を行い、林分蒸散量を推定した。その結果、蒸発散量に占める蒸散量の割合は約3割となり、大部分の蒸発散が気孔以外の表面からの蒸発に由来していたことが判明した。データ駆動モデルと説明可能な人工知能とを組み合わせた解析からは、全天日射量・群落コンダクタンス・大気飽差が蒸発散量を主に制御していることが示唆された。以上より、オイルパームの水蒸気輸送は非生物的要因により駆動される側面が強いと結論付けた。
著者氏名 ○羽田泰彬 ・ 熊谷朝臣
著者所属 東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 渦相関法, タワーフラックス観測, 東南アジア熱帯域, 蒸発散, アブラヤシ
Key word Eddy covariance method, Tower flux measurement, Southeast Asia tropics, Evapotranspiration, Oil palm