第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

防災・水文部門[Forest Disaster Prevention and Hydrology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PJ-5(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 富山県入善海岸防災林におけるタブノキとクロマツの引き倒し抵抗力
Tree-pulling Resistance of Machilus thunbergii and Pinus thunbergii in Nyuzen Coastal Disaster Prevention Forest, Toyama
所属 東京農業大学大学院
要旨本文 タブノキの津波への物理的な耐性を検討するため、富山県入善海岸防災林のうち植栽後9年が経過したクロマツとタブノキの混植区で両樹種の引き倒し試験を実施し、生長特性と合わせて考察した。調査区はクロマツを主木として造成されており、面積は約0.1 ha、土壌は客土された砂質土で、地中には直径5~20 cm程の石礫が多く存在していた。毎木調査から求めた直径階分布のうち各樹種において頻度の高い階級を中心に、対象木として胸高直径7.9~11.1 cmのタブノキを4本、5.0~8.1 cmのクロマツを4本選定し、手動ウインチによる引き倒し試験を実施した。樹木の引き倒しに対する抵抗力の限界を最大回転モーメント(M)と定義し解析した。試験の結果、Mはタブノキで4.6~18.0 kN m、クロマツで0.7~1.4 kN mとなった。これらを野口ら(2014)の引き倒し試験の結果と比較したところ、両樹種共に同程度のMが示され、胸高直径に応じた抵抗力を発揮していることが分かった。以上より、タブノキはクロマツと比べて樹木の生育に不適な基盤でも十分に生育し、津波に対して物理的な抵抗力を発揮する可能性が認められた。
著者氏名 ○佐々木綾香 ・ 佐藤貴紀 ・ 橘隆一
著者所属 東京農業大学地域環境科学部
キーワード 海岸林, 引き倒し試験, タブノキ, クロマツ, 石礫層
Key word coastal forest, tree-pulling experiment, Machilus thunbergii Siebold et Zucc., Pinus thunbergii Parl., stoney soil