第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

立地部門[Forest Environment]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PI-24
発表題目 日本海側気候下の森林における降水にともなう重金属類の負荷
Trace metal load through precipitation in the forest under Japan Sea Climate
所属 島根大学
要旨本文  島根県の地理的位置として緯度は東京とほぼ同じ北緯35度前後であるが,太平洋側の東京と異なり日本海側に位置するため気候学的に冬とされる12月から翌2月の間の降水量が多く年間降水量の25%が冬季に生じる。冬季は降水量が増えるだけでなくpHの低下がみられ,この低pH環境下では多くの重金属の可動性が高くなることが知られている。本研究では,森林生態系における重金属類の挙動を明らかにするために,まず系外からの重金属類負荷を季節ごとに把握する。調査地である島根大学三瓶演習林に設置された降水採水装置により隔週の頻度で採取した雨水のAl,SiおよびCrなど重金属濃度を測定した。その結果,Alは降水により40 mg m–2 year–1の負荷がありそのうち10 mg m–2 year–1は乾性沈着に由来していた。重金属類ではZn,Fe,Cu,Mnの順で負荷が大きかったが,いずれも乾性沈着に由来するものは少なかった。Cd,Ni,As,Crは1 mg m–2 year–1程度であった。冬季の降雨においてはAl,MnとFeの負荷が大きくなる傾向にあった。
著者氏名 ○山下多聞1 ・ 入江菜紗2 ・ 葛西絵里香1 ・ 松本真悟1
著者所属 1島根大学生物資源科学部附属生物資源教育研究センター ・ 2島根大学大学院自然科学研究科
キーワード 重金属, 広葉樹二次林, スギ人工林, 樹幹流
Key word Trace metals, Secondary broadleaved forest, Japanese cedar plantation, Stemflow