第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PH-42
発表題目 鈴鹿山脈中部~南部における2017年と2023年のスズタケ一斉開花
Gregarious flowering of Sasamorpha borealis in 2017 and 2023 in central to southern part of Suzuka Mountains
所属 森林総合研究所
要旨本文 2017年に中部地方で生じたスズタケ一斉開花の当年時点での状況を第129回大会で報告した。その後の調査により、鈴鹿山地中部の鎌ヶ岳から布引山地北部の青山峠にかけて分布するスズタケのほとんどが一斉開花・枯死したことを確認した。2017年一斉開花の北縁部の鎌ヶ岳周辺では開花、非開花のスズタケが混在し、以北の地域では一斉開花は認められなかったが、これらの非開花だったスズタケが2023年に本格的な一斉開花を迎えた。このため、春から夏にかけては花序、夏は実、秋以降は地面から直接立ち上がる花茎と実が落下した跡、当年に枯れたと考えられる葉と稈を確認することにより一斉開花の状況を調査した。この地域の下層植生はニホンジカの食害により著しく衰退し、環境省の自然環境保全基礎調査などに過去に分布が記載された場所においてもスズタケは消失し、基岩の露出するような崖地や急傾斜地などに辛うじて分布することが多かった。また、集落の近くではネザサやミヤコザサ、標高の高い所ではイブキザサとスズタケとが混生する場所が認められた。現時点までに2023年一斉開花を確認した地域は、北は竜ヶ岳、南は御在所岳、西は永源寺湖にわたる。
著者氏名 ○岡本透
著者所属 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所関西支所
キーワード ササ, 広域同調開花, 120年周期, ずれ
Key word Dwarf bamboo, wide area synchronous flowering, 120-year flowering interval, time lag