第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PH-4(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 奥秩父山地におけるシカ食害後の下層植生回復に対する光強度とシカ柵の効果
Effects of light intensity and deer exclosure on vegetation recovery after deer herbivory in the Chichibu Mountains
所属 千葉大学
要旨本文 シカ採食圧下にある森林の下層植生回復過程に対して、シカ排除柵に加え、光強度などの環境要因も影響を与える可能性がある。本研究では、シカ採食の影響で衰退した奥秩父山地の下層植生の7年間の変化を記録し、シカ排除柵や光強度を含む環境要因が下層植生回復に与える影響を検討した。データ解析では、2013年と2020年間の下層植生被度変化を[0, 1]の範囲に正規化した数字を応答変数とし、胸高断面積合計、夏季の平均気温、傾斜角度、傾斜方位(南北)、傾斜方位(東西)、光強度、シカ排除柵を説明変数とした。シカ柵以外の環境要因とシカ柵との交互作用も考慮した。応答変数はベータ分布に従うと仮定し、ベイズ法によってパラメータ推定した。また、WAICを使用して変数選択を行った。シカ柵といくつかの環境要因の交互作用が下層植生回復に有意な影響を与えていた。光強度は説明変数として選択されたが、強い影響は与えていなかった。シカ柵有りの状況における下層植生回復に説明されない大きなばらつきがあることや、光強度を含む環境要因がこのばらつきを説明できないことから、樹木-微生物間相互作用などの未検討の要因が下層植生回復に影響を与えている可能性が示唆された。
著者氏名 ○蛭間英恵1 ・ 平尾聡秀2 ・ 梅木清3
著者所属 1千葉大学園芸学部 ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科 ・ 3千葉大学大学院園芸学研究科
キーワード シカ食害, 下層植生回復, 光強度, シカ柵
Key word deer herbivory, vegetation recovery, light intensity, deer exclosure