第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

植物生態部門[Forest Ecology]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PH-38
発表題目 序列化手法を用いた樹木根系構造の数値化
Quantification of tree root structure using ordination methods
所属 秋田県林業研究研修センター
要旨本文 樹木根系の構造は樹木の倒れにくさに関係しているとされる。しかし、その把握には多大な労力を有するほか、観察やスケッチ、根体積や重量測定といった手法が主であるために、倒れにくさとの関係は十分に明らかにされていない。根系構造を数値化することができれば、樹種や樹齢、個体による差異といった多様な根系構造と倒れにくさとの直接的な関係解析が可能となることが期待される。そこで本研究では、主成分分析による数値化を目的とし、樹木根系の三次元構造を統一的な手法で記録した。対象樹種は、秋田県の海岸砂丘地に生育するクロマツおよび広葉樹数種とした。その結果、次の4つの成分で95%の累積寄与率を示した。具体的には地上部・地下部を含む樹木全体のサイズ・成長に関係する成分(寄与率53.2%)、地上部サイズと深い位置への根系の到達に影響する成分(寄与率19.2%)、垂下根主体の構造的特徴を示す成分(寄与率14.0%)、水平根主体の構造的特徴を示す成分(寄与率9.1%)であった。これらの主成分は、樹種特性としての根系型とともに、同一樹種内の個体差、樹齢によるサイズの違いを反映していると考えられた。
著者氏名 ○新田響平1 ・ 野口宏典2 ・ 小野賢二3 ・ 平野恭弘4 ・ 谷川東子5
著者所属 1秋田県林業研究研修センター ・ 2国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所森林防災研究領域 ・ 3国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所東北支所 ・ 4名古屋大学大学院環境学研究科 ・ 5名古屋大学大学院生命農学研究科
キーワード 根系構造, 海岸林, 序列化手法
Key word root structure, Coastal forest, ordination methods