第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PG-5(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 幹表面における見かけの呼吸商と樹液流によるCO2輸送量の比較
Comparison apparent respiratory quotient on stem surface with CO2 transported by sap flow
所属 静岡大学
要旨本文 幹呼吸速度の評価には一般的にチャンバー法が用いられるが、チャンバー法では、幹内の呼吸で発生したすべてのCO2はすみやかに大気へ放出されると仮定されている。しかし、実際には、幹内に蓄積したCO2の一部が樹液流に溶けて輸送されることから、チャンバー法は呼吸速度を過小評価している。そのため、幹呼吸速度の推定には内部のCO2輸送を考慮する必要がある。内部CO2輸送の定量方法として、幹内のCO2濃度変化から推定するマスバランス法があるが、CO2濃度に加えて温度、樹液のpH、樹液流速度など、多くの測定項目を必要とする。これに対して、O2が水に溶けにくい点に注目した見かけの呼吸商(ARQ)を利用する方法は、マスバランス法と比べて簡便だが、内部CO2輸送との関係は十分に検証されていない。そこで、さまざまな樹種を対象に、マスバランス法とARQ法を比較した。ARQは内部CO2輸送の大きくなる日中に低下したが、樹種や天候によるCO2輸送量の変化と対応しておらず、ARQは必ずしも内部CO2輸送の実態を反映しないことがわかった。
著者氏名 ○齋藤彼方1 ・ Wang, Xuanwen1 ・ 北村萌2 ・ 楢本正明1 ・ 飯尾淳弘1
著者所属 1静岡大学大学院総合科学技術研究科 ・ 2静岡大学農学部
キーワード 見かけの呼吸商, CO2輸送, 幹呼吸, CO2フラックス
Key word apparent respiratory quotient, CO2 transport, stem respiration, CO2 flux