第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

生理部門[Tree Physiology]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 532
講演番号 PG-13(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ブナ樹冠の葉の老化にともなう遺伝子発現パターンの変化
Transcriptome analysis of leaf senescence in beech tree crown
所属 北海道大学
要旨本文 葉の老化は成熟葉の細胞が細胞内の再構成と養分転流を経て細胞死に至る生理現象である。この生理機作は遺伝子の発現調節下にあり、葉寿命や養分利用効率などの適応的形質と関係する。一般に老化フェーズは開始期、再構成期、終末期に大別され、葉の発達段階、季節を含む外的環境、ホルモンに応答する遺伝子群の統合的調節下にある。ブナは一斉開葉型の落葉性広葉樹で葉寿命が長く、葉に高い資源コストをかけて光合成能力を長く維持するタイプである。本研究はブナ二次林の林冠木3個体の陽葉を対象に、2019年7月から10月にかけて約2週間ごとのトランスクリプトーム解析を行い、老化フェーズの進行と関連した発現遺伝子と時期を明らかにした。光合成関連遺伝子群の発現は8月中旬まで増強され、その後老化を促進するアブシジン酸、ジャスモン酸、サリチル酸への応答に関連する遺伝子群が発現増加した。また10月の間に約30%の遺伝子が有意に発現変動し、タンパク質のユビキチン化、オートファジーなど1,090のGOが有意(p<0.05)であり、終末期に向けて発現動態が大きく変化した。以上、3つの葉の老化フェーズが遺伝子発現プロファイルに現れることが明らかになった。
著者氏名 ○前田唯眞1 ・ 田嶋健人1 ・ 斎藤秀之2 ・ 宮本敏澄2 ・ 渋谷正人2
著者所属 1北海道大学大学院農学院 ・ 2北海道大学大学院農学研究院
キーワード ブナ, 葉の老化, トランスクリプトーム解析
Key word Fagus crenata, leaf senescence, Transcriptome analysis