第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-9(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ヒノキ人工林への堅果供給における野ネズミの貯食行動の貢献
Contribution of caching by wood mice on acorn supply in C.obtusa plantation forest
所属 静岡大学
要旨本文 アカガシやスダジイなどのブナ科樹種は照葉樹林における極相種であり人工林を針広混交林に誘引するうえで樹冠構成種として利用可能である。野ネズミは重力落下したブナ科堅果を貯食するために散布、地中に保存することが知られており、埋められた堅果のうち消費されなかったものが発芽することでブナ科樹種の更新及び分布拡大に貢献する。しかし、ネズミは貯食した堅果のほとんどを消費してしまうことが知られており、野ネズミの散布者としての貢献度は明らかにされていない。そこで本研究ではネズミ類のブナ科堅果散布への貢献度を明らかにすることを目的とした。調査地は静岡大学天竜ブランチのヒノキ人工林(40年生,80年生)で南側と東側に広葉樹林が隣接している。人工林内1.66haを5m×5mのコドラートに分け、今年発生したブナ科当年生実生を樹種別に記録した。ブナ科堅果が成熟する11月にはヒノキ人工林及び広葉樹林においてシャーマントラップ100個を用いて捕獲調査を行った。また、2022年11月に、2023年12月に追跡可能な堅果を人工林と広葉樹林の境界に設置し野ネズミによる散布、貯食状況を調査した。2022年の調査では最長60mの堅果の移動が確認された。
著者氏名 ○田中湧也1 ・ 楢本正明1,2 ・ 栗原洋介3 ・ 水永博己2
著者所属 1静岡大学山岳流域研究院 ・ 2静岡大学大学院総合科学技術研究科 ・ 3静岡大学農学部地域フィールド科学教育研究センター
キーワード 森林性野ネズミ, 堅果, 種子散布, 針広混交林化
Key word wood mice, acorn, seed dispersal, mixed conifer-broadleaf forestation