第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-5(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 東京都東久留米市の高齢化した雑木林における伐採後の萌芽状況
Regeneration of old secondary forests after cutting in Higashikurume, Tokyo
所属 自由学園最高学部(大学部)
要旨本文  宅地に近接する高齢化した雑木林では、倒木の可能性等から伐採による樹木の更新が求められている。そのため樹齢70年程度と考えられるコナラ等の高齢化した樹木が多い東京都東久留米市の向山緑地公園(以下、向山)では、森林環境譲与税充当「向山緑地若返り事業(以下、若返り事業)」の一環で萌芽更新を目的とした樹木の伐採が2019年度から行われている。高齢化すると萌芽率が低下するとの報告もあり、伐採後の萌芽状況について明らかにすることは、雑木林の管理において重要である。そこで本研究では、若返り事業の一環で伐採された樹木(12種71本)について、伐採高、萌芽の有無、萌芽枝数等を調査した。その結果、伐採6〜42ヶ月後の萌芽率は、伐採高が高い(1.5m以上)方が低い(地際伐採)ものに比べて高いことが示された。特にイヌシデでは75%(9/12本)に対して、11%(1/9本)であった。しかし萌芽再生してもその後に枯損してしまう萌芽枝は伐採高が高いもので多く見られた。また地際伐採された樹木からの萌芽枝数はほとんどの個体で1本だったことから、高齢化した雑木林においては、萌芽更新よりも実生による後継樹育成が緑地の若返りに適していることが示唆された。
著者氏名 ○伊澤麻里1 ・ 亀山泰良1 ・ 南雲八恵1 ・ 竹本周平2 ・ 柏木めぐみ1
著者所属 1自由学園最高学部(大学部) ・ 2東京大学大学院農学生命科学研究科
キーワード 萌芽, 更新, 高齢林, 実生, 下層植生
Key word Coppice, Regeneration, Old secondary forests, Seedling, Understory vegetation