第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-49
発表題目 自記式デンドロメーターによる漆掻き個体木幹周囲長の日変化と季節変化
Diurnal and seasnal changes in stem diameter of individual lacquer tapping trees using a self-recording dendrometer
所属 岩手大学
要旨本文 漆掻き林分で,成育期間中の幹周囲長を自記式デンドロメーターにより連続測定をおこなった。対象林分は,2022年は岩手県一戸町,2023年は一戸町と岩泉町の異なる漆掻き林分から,個体を数本ずつ選び測定木とした。日単位の幹周囲長変化は,大気飽差の日変化に追従する傾向があり,漆掻き後に幹収縮が増大した個体が認められ,蒸散活動と強い関連性が示唆されたが,天候の変化や時期,個体によりそれらの関係は複雑であった。次に測定値から移動平均法により日変化成分をとり除き,肥大成長成分を求めた。1シーズンの周囲長増加量は,各幹で1.4mm~15.1mmとばらつき,漆掻きの有無は有意に認められなかった。季節変化をみるため,最終の周囲長を1とした相対値を求めたところ,幹周囲長は6月下旬頃から大きく増加するが,その後7月下旬頃から徐々に増加率が低下,9月以降は増加がほぼ停止した。2022年の初辺は6/15~7/18,盛辺7/28~9/2,末辺9/6~10/17で,その時期とほぼ一致しており,2023年も同様であった。漆液収量や品質(水分量など)は各辺の時期で特徴的な違いがみられる事が知られているが,それらは木部肥大成長と密接な関連性があると推察される。
著者氏名 ○白旗学 ・ 種市侑李
著者所属 岩手大学農学部
キーワード ウルシ, 漆掻き, 肥大成長, 日幹収縮, デンドロメーター
Key word Toxicodendron vernicifluum, Lacquer tappinng, stem diameter growth, daily stem shrinkage, dendrometer