第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月10日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-24
発表題目 スギ人工林低密度植栽試験地における成長量と11年次の応力波伝播速度
Growth and stress wave propagation in the 11th year in a low density planting area of Cryptomeria japonica
所属 愛媛県農林水産研究所
要旨本文 愛媛県では、皆伐後の再造林に係る費用が高止まりであることが、主伐の足枷となっている。育林費用の約3~4割を占める下刈り削減の試みが多いなか、植栽費用も削減可能と考えられている。これまでの施業体系では、高品質材の生産を目指す高密植・集約施業が主流であったが、材価の上昇が期待できない中、疎植・粗放施業にも目が向けられ始めてきた。しかし、低密度植栽では、幼齢期に主林木同士の競争が生じにくく、年輪幅が広がるなど材質が低下するという声も無視できない。そのため、挿し木ポット大苗約(苗高約100cm)と実生・コンテナ苗を用いて低密度植栽を行い、幼齢期(11成長期末まで)の成長や材質に関する調査を行った。大苗を植栽した区域では、植栽後4成長期末に灌木の除伐を行ったのみで、下刈り無しで成林した。年輪幅を示す胸高直径は、ha当たり1,500本植えと2,500本植えで有意差は見られなかった。応力波伝播速度も植栽密度間、苗型間での明らかな差は認められず、低密度植栽でも一般的植栽密度に対して、幼齢期(林幹がうっ閉するまでの)における植栽密度による材質の低下は考慮しなくてもよい可能性が示された。
著者氏名 ○西原寿明 ・ 田口裕人
著者所属 愛媛県農林水産研究所林業研究センター
キーワード 低コスト再造林, 低密度植栽, 応力波伝播速度, スギ, 大苗
Key word reduction of reforestation cost, low density planting, stress wave propagation, Cryptomeria japonica, large seedlings