第135回日本森林学会大会 発表検索

講演詳細

造林部門[Silviculture]

日付 2024年3月8日
開始時刻 ポスター発表
会場名 531
講演番号 PE-10(学生ポスター賞審査対象)
発表題目 ミズナラ二次林における樽材適性を持つ個体の特性と育成の可能性
Oak-individuals Suitable for Barrel Wood in a Secondary Forest; Possibility of Controlling Wood Properties
所属 北海道大学
要旨本文 ミズナラを樽材として利用する場合、液漏れを防ぐために、材の繊維傾斜が小さいこと、チロース充填率が高いことが求められる。本研究では、ミズナラ立木個体の繊維傾斜・チロース充填率について、基礎的な特性および個体ごとの生育特性との関係を明らかにする。北海道大学雨龍研究林の天然生混交二次林に調査地を設定した。237本のミズナラ立木個体について、胸高直径、樹幹の曲り、局所的な立木密度を記録するとともに、伐採時に紐づけて得られた材サンプルで樹齢、直径成長率を算出し、さらに繊維傾斜度(SGA)、チロース充填率(TR)を計測した。SGAの平均値は8.6% (s.d. 4.7:レンジ0-28.8)であり、樽材として利用可能なSGAの上限を3%と仮定すると、全対象個体の約10%の立木に適性があると見積もられた。一方、TRの平均値は28.1% (s.d. 27.3:レンジ0-91.1)で、多くの個体で辺材との移行帯から髄にかけて減少する傾向が見られた。SGAおよびTRが大きい/小さい個体は空間的に重なって分布しており、林内で偏って出現する傾向は見られなかった。立木個体ごとの特性値とSGAおよびTRとの関係を解析し、それぞれを育林作業等でコントロールしうる可能性について議論した。
著者氏名 ○仲谷朗1 ・ 大崎久司2 ・ 村上了2 ・ 大野泰之3 ・ 吉田俊也4
著者所属 1北海道大学大学院環境科学院 ・ 2北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場 ・ 3北海道立総合研究機構森林研究本部林業試験場 ・ 4北海道大学北方生物圏フィールド科学センター
キーワード ミズナラ, 材特性, 生育条件, 割裂法, 繊維傾斜
Key word Quercus crispula, wood properties, growing conditions, splitting method, grain angle